統計検定2級に、文系出身・数学の素人が独学で合格するまでの体験談

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この記事で分かること

●文系出身でも統計検定2級に合格するプロセス
●合格までの最小・最短プロセス

ご訪問ありがとうございます!まちゅけんと申します。

この記事では私が実際に統計検定2級に合格するまでの体験談をご紹介します。

今でこそブログで統計学に関する記事をいくつも書いておりますが、本当に最近まで標準偏差の意味も分かりませんでした。そのレベルから独学で3つの資格を取得しました。

統計検定3級
統計検定2級
ビジネス統計スペシャリスト(エクセル分析スペシャリスト)

微分積分もわからない。ましてや数学の記号もろくに読めない。

そんな文系出身、10年以上数学に触れることのなかった私がどうやって合格までたどり着くことができたのか。

圧倒的に文系目線
時間もお金もかけすぎない

この2点をキーワードにお話をします。どうぞ最後までお付き合い下さい。

※総合的な対策は他の記事でもご紹介しています。後ほどお読み下さい。

統計検定を受験したきっかけ

社内昇格からの無力感

統計学と出会ったきっかけは、会社で昇格試験を突破した後に感じた無力感でした。個人のポテンシャルにもよりますが、受からないひとは10年受からない試験でした。しかし私は運良く一発で通過することができたのです。

当時泣いて喜んだのですが、もう一つ思ったことがあります。

「会社の定めるモチベーションで満足して終わらせたくない。モチベーションは自分で作りたい」

昇格した自分にあるのは会社によって作られた立場だけ。スキルも経験も知識もありません。頑張って勝ち取ったポジションや資格も、会社という組織の元でなければ成り立たないのです。そこで肩書がなくなっても確実に残るスキルを考えました。

「好きなことを伸ばそう」と思いました。

得意でなくても、続けることができればスキルは後からついて来ると考えたからです。

私の好きなことは数字を追いかけることでした。数学的なお話ではありせん。カテゴリーごとの売上の大きさや期間ごとの増減など、平気で2・3時間眺めていることができます。新卒で入った会社が小売業でしたので、数字から他店の売り場のカテゴリー毎の面積の大きさを妄想して実際に答え合わせに行くということもしていたくらいです。

ざっくり頭に浮かんだのは数字の分析が得意なひとになりたいということでした。そしてそれを得意とするデータアナリストという人たちがいることを後で知りました。

データ分析という仕事

とはいえ、その頃の私はデータアナリストという言葉を知りませんでした。

「数字の分析を得意として様々なアクションを起こせるひとってカッコイイ。仕事に使えそう」くらいのものです。

まずは様々な有名企業の求人から、データアナリストに必要とされるスキルを逆算して調べることにしました。

そこで求人を見た私は驚愕します。

ざっくりどこもこんな感じ↓

「BIツールを用いたダッシュボート作成や運用経験!KPI設定からデータドリブンまでの経験!Linuxなら尚可!機械学習の経験!SQL!Python、R大歓迎!」

何を言っているのかさっぱり分かりません。

これまで私の経験した業務範囲のフィールドでは使うことのないワードばかりでした。

「分析するのどんだけ大変なんだよ・・・」

そう思いながら数多くの求人を見ていると共通点を発見します。

どの求人にも統計学の知識が必須と書いてあることでした。

※実際の求人では以下のように書かれています。

※求人例1 参照元

※求人例2 参照元

※求人例3 参照元

※あくまでデータ分析に統計学の知識がどれだけ必要とされているのかを解説する目的で参照しております。

確かに様々なツールを駆使してデータ分析をしているかもしれませんが、元はといえば数字の検証です。数学的な知識が前提になっていることに変わりはないのです。いわば統計学はデータ分析の共通言語のようなものです。

「分析ツールの勉強する前に統計学からやってみるか!」

こうして私は統計学の勉強を決意し、資格としても証明することのできる統計検定2級の挑戦をすることにしました。

統計検定2級の勉強と挫折

一度目の挫折

まずは統計学を独学で勉強する方法を色々な方のブログを参考に調べ始めました。そこでどの方も共通しておすすめしているコンテンツがありました。

統計WEBです。

統計WEBは、統計学をイチから勉強することのできる完全無料のオンラインコンテンツです。統計学の基本用語の解説に始まり、様々な確率理論、統計的手法を例題を通して学ぶことができます。

※統計WEBはコチラ

学習項目は
初級編
基礎編(2級の範囲はここまで)
中級編
の3本立てです

私はここで一度目の挫折を経験します。

初級編は統計学で使用する用語やグラフ、確率や相関の計算方法を易しく学ぶことができます。初級編をクリアした私は思いました。

「あ、全然いけるじゃん笑」

と思ったのもつかの間。このあと基礎編で完全に躓くことになります。

彼らが立ちはだかりました。

Σ「来ちゃった♪」
∫「来ちゃった♪」

高校を最後に封印していた記号や数式が前触れもなく統計WEBの初級編に現れたのです。統計検定2級では統計的手法を覚えるのはもちろん、確率密度の問題が頻出なので微分積分は避けて通れません。しかも高校数学の指導要領では数IIBに統計学は登場しません

つまり文系出身者は…

1 数式・記号に慣れる
2 統計学をイチから学ぶ

このハードルをクリアしなければいけません。

そこで私が考えた作戦は・・・

統計学の超基礎を学ぶ

数式・記号に慣れながら統計学を勉強

この順序を追うことにしました。

いったん統計WEBは封印して、文系でも理解ができる参考書を手に取りました。

この参考書の素晴らしいところは、私のような数学の初心者が挫折しがちな数学記号が全く使われていないことです。統計学としての学問が成り立つギリギリまで削ぎ落とされたシンプルな解説には私も本当に助けられました。

これまで統計学を学んだことのない方は迷う余地などございません。こちらの書籍は必ず購入しましょう。

二度目の挫折

早いですが二度目の挫折をします。

『完全独習 統計学入門』を読みおえて統計学を分かった気になった私が読んだ参考書がこちらです。

こちらも統計学を学習する方々がおすすめされていたものです。いま読み返すと大変優れた書籍なのですが、少し困った点がございます。

統計検定2級の範囲を飛び越えていることです。

また解説も初心者にとっては易しいとは言えないため、『完全独習 統計学入門』から一気にハードルが上がりました。

「統計検定2級・・・むずい・・・」

そう悟った私は次の作戦を考えます。

3級の受験です。

統計検定3級からの出直し

3級の良いところ

2級の受験は見送ることにして、まずは級を一つ下げて出直すことにしました。3級とて決してノー勉強で受かるものではございません。難易度設定としては高校数学レベルと言われています。

3級を受験するメリットはいくつかあり・・・

1 必要最低限の数式や記号
2 表・グラフ読み取りがメイン
3 2級につながる出題範囲

だと私は考えます。

挫折しがちな要素を少しだけ含みながら統計学の超基礎を学べるという、なんともありがたい範囲設定なのです。級を下げることはとても悔しかったですが、結果的に3級から受験をして本当に良かったと感じています。

3級から受けるべき具体的な理由は別の記事で解説しています。後ほどお読み下さい。

やることは少ない

さて、3級ですがやることは多くありません。必要なのは公式テキストと過去問です。

まずは公式のテキストを制覇しましょう。3級のテキストはとても丁寧な設計です。章末問題が充実していることと、解説が詳しく書かれているのは理解を深める大事なポイントです。『完全独習 統計学入門』と公式テキスト以外の参考書に寄り道する必要はありません

一通りの学習が済んだら次にやることは腕試しです。過去問を必ず解きましょう。

文系出身者の場合、慣れないうちは時間内に解き終わりません。理由は2つ考えられます。

1 表・グラフの読み取りが遅い 
2 統計学の用語理解が不十分

この2つを確実に抑えないと2級の突破は遥か彼方です。

しかし安心して下さい。表・グラフの読み取りは慣れることで攻略が可能ですし、用語理解は章末問題や過去問を繰り返すことですぐに分かるようになります。

出題範囲が増えていることに注意

ちなみに3級ですが、2020年に出題範囲が増えて難しくなりました。

相関と回帰
確率分布
統計的な推測

がそれに当たります。ざっくり言うと、これまで表・グラフの読み取りがメインだった3級に、少しだけ難しい計算問題や概念が登場するようになりました。

経験者の私からするとこれは朗報ともいえます。なぜなら2級を視野に入れた受験者にとって、しっかりと準備をしてから2級に挑戦をすることができるからです。追加範囲は確かにこれまでの3級に比べて難しい内容ではありますが、次のステップに進むための準備と考えれば決して理不尽な内容ではありません。

こうした理由からも3級を受験する理由は大いにあることがわかります。

苦労の末、無事に一発で3級に合格することができました。

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統計検定2級に挑戦

さあ、いよいよ2級への挑戦を開始します。2級の受験をする前に、やること・やらないことを整理しました。

やったこと

まずは最初に挫折の原因となった微分・積分の学習をしました。

必ずしもこの書籍である必要はありませんが、高校で習う微分・積分がとても分かりやすく解説されていたので私はとても重宝しました。

微分・積分の学習は絶対に妥協してはいけません。確率密度関数の問題は頻出です。過去問を通して必ずマスターをして下さい。

次に取り組んだことは過去問でした。公式テキストは様々な受験者の評判を見る限りでは良い評価がありませんし、実際に今の私が見返してみても学習には不向きだと感じています。従って取り組むべきは過去問です。

過去問の進め方としては・・・

過去問を時間無制限で挑戦

間違えた問題を『統計WEB』を使いながら徹底的に潰す

時間制限で再度挑戦

このルーティンを過去問を遡りながらひたすら繰り返しました。こうすることで過去問が古くなるごとに点数がドンドン上がっていく体験をすることができます。

思えば私のこの勉強が成立したのも、3級から出直したことが大きかったと思います。なので『統計WEB』があれば2級の学習は十分という論がありますが、半分正解だと感じています。数学・統計学の素養が十分でない方は着実なステップを踏んでから2級に挑戦するようにしたらいいと思います。

ちなみに私の場合ですが、過去問は2冊仕上げました。

少しテクニックの話になりますが、CBT方式というパソコンを使っての受験では既にプールされた古い問題から出題がされます。ということは全く同じ問題が出ないにしても、古い過去問に近しい問題が出る可能性が十分にあるということです。詳しくはお話できない決まりになっていますが、お時間に余裕のある方はこちらもチェックしておくといいでしょう。

やらなかったこと

今度は逆に、やらなかったことです。

3級では絶賛オススメしていた公式テキストですが2級では全く使いませんでした。というのも解説が少々難解であることや、章末問題が十分ではなかったからです。なので早めに過去問に取り掛かって問題に慣れるようにした方がお金と時間の節約になります。

そして次はこちら

赤本という名前で有名な良書です。名実ともに優れた内容ですが、統計学を学び始めた方が手に取るには難解な内容に間違いありません。むしろこちらの内容に取り掛かるのは2級に受かってからでも遅くないと感じるほどです。

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文系だって合格できる

統計学の学習を志してから2度の挫折を経験したのち、なんとか統計検定2級を一発で合格することができました。

合格した時は正直自分でも信じることができませんでした。数学の素養もなく、数学記号を見るだけで頭がフリーズしてしまう私でも合格することができたのです。

学習期間は3級も含めると4ヶ月。

行き帰りの電車・会社の休憩時間・休日の図書館、全ての努力が報われた瞬間でした。

2級までの内容はたとえ文系出身者だとしても独学が可能です。色々な理由で受験をする方がいらっしゃると思いますが、私のご紹介した最低限の内容で突破が可能です。どうか最後まで諦めずに挑戦して下さい。

この記事が皆さんのお役に立つことを心より願っております。

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